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豊富なライブラリー収録の聴診シミュレーター
『3B月刊メールマガジン 6月号 』vol.155
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今月号の内容:
┌──【目次】──────────────────┐
1. 新製品のご案内
~聴診シミュレーター新製品各種~
2. 先生のコラム「時間の物差し」
~咄嗟の動き、逆の動き~
(一財)健康教育学研究所 所長
元帝京平成大学教授 竹内京子先生
3. 月刊学会情報
4. 編集後記
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1. 新製品のご案内 ~聴診シミュレーター新製品各種~
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■サムII、学生用聴診トレーナー
男性型のマネキンに通常の聴診器をあて
様々な心音、呼吸音、腸音を聴くことが
できます。
軽量で持ち運びも容易ながら、
87症例のサウンドライブラリーを収録し
付属PCでサウンドの切替が可能です。
デスクトップ上で心音図を確認できます。
/simulator/exam/1020095.htm
■サム・ベーシック、聴診トレーナー
トレーニング専用の聴診器SimScope(tm)
をマネキンの正しい位置にあてると、
プログラムされた音が聴診器を通して
再生され、実践的な練習を行うことが
できます。
シナリオのカスタマイズもできます。
42症例のサウンドライブラリーを収録しています。
ワイヤレス接続ができるWi-Fi対応モデルもあります。
/simulator/exam/1020097.htm
■パット・ベーシック、聴診トレーナー
小児に対する聴診を練習するための
男児マネキンとライブラリーを収録し、
サム・ベーシック同様にSimScope(tm)
を介して聴診音を聴くことができます。
41症例のサウンドライブラリーを収録しています。
ワイヤレス接続ができるWi-Fi対応モデルもあります。
/simulator/exam/1020098.htm
┏▼お問合せはどうぞこちらへ
メール:mag_3b@3bs.jp
フリーダイヤル(ユーザー様専用)0120-300-056
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2. 先生のコラム
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「時間の物差し」
~咄嗟の動き、逆の動き~
(一財)健康教育学研究所 所長
元帝京平成大学教授
竹内京子先生
咄嗟の行動って、「こうすべき行動」
とは逆に「好ましくない行動」をとる
ことが多いような気がしています。
「危ない!」って叫ばれると、思わず、
そちらを見てしまう反射的行動があります。
「危険」を確認しようとする本能的
行動があるのでしょう。
よく耳にする例に、小さい子どもが
高いところに上っていった場合、決して
下から「危ない!」などの大声を出して
はいけない、という教えがありますが、
これは子供が下を見て「高さ」を認識
した瞬間、急に怖くなって、手を放して
しまう危険があるからです。
私が経験した事例は、それまで下を向
いていた女性が「危ない!」の声で
顔を上げた途端、飛んできたサッカー
ボールが顔に当たったというものです。
後で聞いたら、「危ない!」の声に
思わずボールが飛んでくる方に目を
向けてしまったということでした。
咄嗟にしゃがめなかったそうです。
大事には至らず、よかったですが、
危ない!という言葉を発すること
自体が別の危険を呼んだ事例でした。
危険回避の指示の言葉は状況によって
異なるので、なかなか簡単にうまく
言えるものではありませんが、声かけ
方法を考えさせられた一コマでした。
日常生活の中で自分が何度も失敗して
いるのが、ドアノブの上に「押」って
大きく書いてあるにも関わらず、手前
に引いてしまう動作です。
大元の原因は、この訪問先の大学の中
の扉のひとつが、他の場所のドア状況
とは逆向きなのが原因です。多くの人
が間違えるようで、ご丁寧に「押」と
わかりやすく書いてあるのですが。
なぜか・・・
頭の中で、この扉は「押」してはいる
のよね、と目と脳で確認しているにも
関わらず、その時の私の手はドアノブ
を手前に引っ張っているわけです。
同日の二回目の出入りでは、間違える
ことはないのですが。2週間も間が空く
と完全にリセットです。
こういう事象を考えていた矢先、人類
働態学会という、人に関する事、物、
考え、なら何でもあり、という面白い
学会で、印象に残った話が二つありま
したのでご紹介します。
ひとつは、エレベータのボタン押しを
咄嗟の時に間違いなく押せるかどうか、
どのような配列なら一番間違いが少な
いか、などについて考える実験研究
でした。
エレベータでの咄嗟という状況は、
扉が閉まりそうになった瞬間、「開」
ボタンを押す、という状況設定でした。
実際に「開」を押したつもりで「閉」
を押して、悪いことしたなあ、と思う
こともありしたので、興味深く拝聴
しておりました。
複数回の実験でしたので、みんな慣れ
てきて、押し間違いはしなかったけど、
咄嗟の動きでは、躊躇動作があった。
これは、速やかに操作を遂行しようと
する行動と、誤ってはならないとする
ためらいとの葛藤が生じているようだ
という考察でした。
これからすると、どうも、私の行動は、
速やかに操作を遂行させようとする
自分が、誤操作をしないように慎重な
行動をさせようとするもう一人の自分
を抑えて、毎回懲りずに同じ間違いを
しているのかな、と自覚した次第です。
これを修正するため、文字にも反応す
るよう、真面目に練習しようと思った
次第です。
もう一つの話題は、将来の自動運転車
についてです。レベル5の完全自動化は
ちょっと想像がつきませんが、現時点の
レベル3(自動運転レベルの第一段階)
では、緊急時はドライバー運転に戻る、
というものです。
4秒程度で交代、という事でした。
自動運転車に慣れ切った脳になった後
で急に「運転の交代」指示がでたら
どれほど慌てることになるのやら・・
では、また来月。
<ご意見をおきかせ下さい>
竹内先生へのご意見・ご感想、コラムで感じたこと、
先生にお聞きしたいことなどもお送りください。
┏▼宛先は、
mag_3b@3bs.jp
まで。お待ちしてます!
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3. 月刊学会情報
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H30/7/5~H30/7/7
日本小児循環器学会 第54回日本小児循環器学会総会・学術集会
神奈川県・パシフィコ横浜
H30/7/5~H30/7/6
日本創傷外科学会 第10回日本創傷外科学会総会・学術集会
埼玉県・ラフレさいたま/ホテルブリランテ武蔵野
H30/7/6~H30/7/7
日本骨折治療学会 第44回日本骨折治療学会
岡山県・岡山コンベンションセンター ほか
H30/7/6~H30/7/7
日本弱視斜視学会 第74回日本弱視斜視学会総会
岡山県・倉敷市民会館
H30/7/6~H30/7/7
日本皮膚悪性腫瘍学会 第34回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会
静岡県・アクトシティ浜松
H30/7/8~H30/7/10
日本周産期・新生児医学会 第54回日本周産期・新生児医学会学術集会
東京都・東京国際フォーラム
H30/7/11~H30/7/13
日本睡眠学会 日本睡眠学会第43回定期学術集会
北海道・札幌コンベンションセンター
H30/7/11~H30/7/13
日本消化器外科学会 第73回日本消化器外科学会総会
鹿児島県・城山ホテル鹿児島 ほか
H30/7/12~H30/7/13
日本動脈硬化学会 第50回日本動脈硬化学会総会・学術集会
大阪府・グランキューブ大阪
H30/7/12~H30/7/13
日本整形外科学会 第51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会
静岡県・静岡コンベンションアーツセンター
H30/7/13~H30/7/14
日本下肢救済・足病学会 第10回日本下肢救済・足病学会
北海道・ロイトン札幌
H30/7/14~H30/7/15
日本心臓リハビリテーション学会 第24回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
神奈川県・パシフィコ横浜
H30/7/14~H30/7/16
日本コンタクトレンズ学会 フォーサム 2018 東京
第61回日本コンタクトレンズ学会総会
東京都・京王プラザホテル
H30/7/14~H30/7/15
日本小児皮膚科学会 第42回日本小児皮膚科学会学術大会
東京都・ホテルメトロポリタン池袋
H30/7/15~H30/7/16
日本臨床整形外科学会 第31回日本臨床整形外科学会学術集会
鹿児島県・城山ホテル鹿児島
H30.7.16
日本理学療法士協会 第2回日本呼吸・心血管・糖尿病理学療法学会合同学術大会
神奈川県・パシフィコ横浜
H30/7/18~H30/7/20
日本毒性学会 第45回日本毒性学会学術年会
大阪府・大阪国際会議場
H30/7/19~H30/7/21
日本ペインクリニック学会 日本ペインクリニック学会第52回大会
東京都・グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
H30/7/21~H30/7/22
日本小児看護学会 日本小児看護学会第28回学術集会
愛知県・名古屋国際会議場
H30/7/21~H30/7/22
日本女性骨盤底医学会 第20回日本女性骨盤底医学会
東京都・ベルサール汐留2F HALL
H30/7/21~H30/7/22
日本検査血液学会 第19回日本検査血液学会学術集会
埼玉県・大宮ソニックシティ
H30/7/26~H30/7/27
日本受精着床学会 第36回日本受精着床学会総会・学術講演会
千葉県・幕張メッセ国際会議場
H30/7/26~H30/7/28
日本骨代謝学会 第36回日本骨代謝学会学術集会
長崎県・長崎ブリックホール ほか
H30/7/27~H30/7/28
日本うつ病学会 第15回日本うつ病学会総会
東京都・京王プラザホテル
H30/7/28~H30/7/29
日本小児臨床アレルギー学会 第35回日本小児臨床アレルギー学会
福岡県・福岡国際会議場
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4. 今月の編集後記 by 英司
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生き物の動きを自分の都合の良いように
コントロールする。
ゾンビ映画のようなシチュエーション
だが、自然界にはこんなケースが
あったりする。
しかも割と身近に。
ハリガネムシという生き物がいる。
線虫のように糸状の形態で、バッタや
コオロギ、カマキリといった昆虫に
寄生する。
日本でも広く分布する生き物で、
カマキリの尾部を水につけると
出てきたりする。
このハリガネムシが宿主の動きを
コントロールする。
ハリガネムシは寄生した宿主である
カマドウマやキリギリスを河川に
飛び込ませる。
ハリガネムシは水生生物で水に触れると
宿主から脱出し、水中で生殖相手を探す。
水中に飛び込まされることとなった
カマドウマ、キリギリスはあわれ、
魚のエサとなる。
かわいそうな話だが、これが生態系
にとってかなり重要であることが
わかってきた。
神戸大学の研究で、水中にカマドウマ
などが飛び込まないように制限した
ところ、魚に食べられる水生昆虫が
増大し、水生昆虫の生存数が減少する
ことがわかった。
水中のコケや落葉を食べていた水生
昆虫が減ることで、コケは2倍に増え、
落葉の分解速度が30%も低下していた。
ハリガネムシが虫を飛び込ませる
おかげで、水生昆虫の数が保たれ、
きれいな川が保たれていたわけだ。
飛び込む虫がいなくなれば、川の環境
が変わるので、魚の住めない環境へと
遷移していく可能性もある。
寄生虫の行動一つで生態系が大きく変わる。
実に繊細だ。
宿主をコントロールする寄生虫として、
ロイコクロリディウムも有名だ。
カタツムリに寄生するのだが、寄生
された様はちょっとグロテスク。
カタツムリの触覚部分に寄生しする
のだが、触覚は芋虫のように太く、
縞模様となる。
そして、鳥に見つかりやすい明るい
場所へと誘導される。
これは寄生によって視界が遮られる
ためと考えられる。
鳥はこの触覚を芋虫と間違えて食べる。
これでカタツムリは犠牲となるが、
ロイコクロリディウムは無事、次の
宿主である鳥に寄生するわけだ。
カタツムリはかわいそうだが、
ロイコクロリディウムも生態系の構成の
大事な一部を担っているのだろう。
たぶん。