新型腹腔鏡トレーナー、ポートとモデル位置を自在に設定
オムニトレーナーは、4本のアームでポート位置とモデル位置を自在に再現できます。腹壁のないオープンな構造で、マルチな腹腔鏡トレーニングに対応します。4本の関節式アームにはそれぞれ、ポート、カメラ台、トレーが付いています。コアキシャル、パラレル、シングルポート、ダイヤモンドなど、様々な創部のセッティングが可能です。
オムニトレーナーとの組み合わせに最適なモニター&カメラセットを2種類ご用意しております。
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先生のコラム「時間のものさし」
関節面の動き:回旋運動のすすめ
(一財)健康教育学研究所 所長 竹内京子先生
身体の動きを考えるとき,骨と骨を連結している関節面での骨同士の動きにも注意を払うことが重要です。本日の話題は,身体運動に大きな影響がある「滑膜性の連結(いわゆる関節)」の関節面での動きについての雑学と,それに絡んだ研究活動について少し。
例えば,狭義の膝関節(脛骨と大腿骨との連結部)は見た目には膝の「曲げ,伸ばし」という単純な「角運動」という動きをしていますが,関節面での動きで見ると複雑です。そこには,「滑り」,「転がり」,「軸回旋」(Kaltenborn FM;富雅男訳)という3つの動きが瞬時に,そして同時に生じて関節面での骨の動きを調整しています。従って,この中のたった一つの動きでも,不調になると,関節の曲げ伸ばしという単純な動きすらできなくなってしまうということなのです。
私たちの日常生活は,筋力の維持だけでなく,筋力を正しく発揮させるために関節面での動きが常に円滑に行えるような配慮も必要ではないかと考えるに至ったこと,動物としてのヒトは股関節が,姿勢バランス(歩行,走行,起き上がる動作,座位の維持など)ともかかわってくるので重要であることなどから,股関節の動きに着目した研究を行う様になりました。
股関節の動きの評価は,動的姿勢バランスの検査で用いられる下肢荷重計(左右脚別仕立ての重心動揺計)と立位で股関節から下肢脚全体を回旋させたときの回旋角度を左右同時に測ることができる測定器(スタンサー)の機能を組み合わせた,改良した測定器で行います。
測定器の名前は,ジャイロメディメータGyro-Medimatorと言います(写真参照,ジャイロテクノロジー社)。外見は2台一組(直径31㎝,高さ5㎝)の回旋円盤ですが,それぞれが回旋角度計付き下肢荷重計として機能します。
立位で回旋運動を行っている時の左右それぞれの円盤にかかる足圧中心(COP)の位置変化(XYZ座標)データと内外旋角度変化データが得られます。
30秒間に1500~3000個のデータが取得できるようになっています。これらの生データと計算で求められる合成全身体の荷重中心データ(XYZ座標)と合わせて11項目のデータが解析の対象です。
現在までに,対象者の下肢の使い方の左右の違い,例えばサッカーでいえば,ボールを蹴る側が左右どちらが多いのか,身体を支える軸足側がどちら側が優位に働いてきたかなどが直ぐに判定できますし,運動技能レベル(スキル)が高い方は,種目や職業に関わらず,1回ごとの内外旋運動の軌跡に分解してみたときの個別の軌跡の形状が似たような形状を示す割合が高いこと,逆に低い方は軌跡の形状がバラバラで滑らかな動きを示さない曲線となりますし,過去の運動器外傷や障害からの回復が不十分な部位が体のどこかにあると,例えば肩などでも,軌跡の形状に影響を及ぼすことも示唆されます(文献;動態研究ツールP14~21,人類働態度学会編.2018)。
この測定法の最大のメリットは,軽い回旋運動を継続することが,硬く強張った筋や結合組織などを自然に動かしやすくなることにつながるということで,測定で回旋運動をすること自体も姿勢バランス力の向上に繋がります。
高齢者の運動ではサーキット種目の中に,回旋の動きを取り入れたメニューを継続して行うだけで,日常生活行動力の向上にも寄与すると報告を受けています。
臥位から起き上がること,あるいは座位から立ち上がるのがキツイ方は,起きる前に寝床で両足を脱力状態(外旋位)から足先を合わせる動き(内旋)を1~2秒頑張って,その後は脱力,という動きを繰り返した後,起き上がってみてください。
又,座位では,立ち上がる前に,両膝にそれぞれ手を当てて,足は脱力,手の力だけで,膝の開閉運動をします。膝が軽く動けばOKです。何回かやったり,後,両膝をそろえて座ったら,その膝に両手を置いて,膝を開いたり閉じたりする運動を10~20回ぐらいやってから立ち上がるようにしてみてください。いずれにしても,立ち居振る舞い動作が軽やかになると思います。
皆さまが,股関節の回旋の動きとその効果を体得されることを願っております。
では、また、来月。
膝を伸ばして直立姿勢を保持
編集後記
コロナ禍も一つのきっかけだとは思いますが、最近、ホールを貸し切り、
グランドピアノを思いきり弾けるイベントをたくさん見かけるようになりました。
イベントにもよりますが、1000円くらい(もしくは無料)で1時間程度、演奏者とその同居家族のみ入場可能なものや、一緒に他の楽器も持ち込み、少人数で練習ができる形態をとっているところもあります。
スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインがいわゆる世界3大ピアノと言われますが、ここ新潟県内でもベーゼンドルファーを所有しているホールのうち一つが、こうしたイベントを行っていて、先日、抽選にも当たったので、誰もいないホールで思い切り弾いてきました。
スタインウェイは何度か弾いたことがありますが、ベーゼンドルファーは初体験。音色が艶っぽく、ホールの反響もあるので、曲によっては全く違うイメージになってしまい、しばらくタッチに慣れるのが大変でしたが、それでも憧れのピアノに触れることができて、感動しました。
このイベント、リピーターが多いと聞きましたが、私も何度か弾いてみて、このピアノの特性に慣れたいと思ったので、納得です。
翻って、駅やショッピングセンターなど、あらゆるところで目にするようになったストリートピアノ、残念ながら時間帯により、騒音公害と見なされたり、或いは一人で延々とピアノを占領し、持ち時間を守らなかったりで、やむなく撤去に至るケースも増えてきたようです。
でも私は人前で緊張して弾くより、誰に気兼ねすることもなく、がらんとしたホールで思い切り弾く方が性に合っていいます。
次回、ディアパソンのピアノを弾くチャンスが得られたので、どんなイメージになるのか楽しみです。
By 岩子