自由落下
実験番号:UE1030300
自由落下では落下距離h はかかった時間t の2 乗に比例します。この時の比例係数から,重力加速度g が計算できます。
実験の手順
- 落下開始地点から距離 hだけ離れた底板まで,球が落下する時間tを測定します。
- 距離 hを変えて落下時間 tを何回か測定し,横軸に時間,縦軸に距離h を取りグラフ化します。
- 落下距離 hが落下時間 tの2 乗に比例することを確かめます。
- 重力加速度 gを計算します。
実験に必要な機器
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基本原理
地球の重力場の元で物体が高さh から落下すると,落下速度が速すぎず空気抵抗が無視できるなら,一定の加速度g で運動します。これを自由落下といいます。この実験では金属球が放出器に取り付けられています。金属球が自由落下を始めると,すぐに接続されたタイマーが作動します。高さhだけ落下した後,金属球が実験器の底板に当たり,電気信号をタイマーに送り時間tを測定し計測が止まります。
落下が始まるまで金属球は止まっているので,時間t0=0 での初速度はv0=0 です。よって運動の法則より落下距離h は次のようになります。
(1)
落下距離hを4:1 の比で変化させると,落下時間t は2:1 の割合になります。この事は落下距離h は落下時間t の2 乗に比例することを示しています。
何回か異なる落下距離での実験を行い,グラフ化します。金属球の落下する距離h は,時間に関する非線形のグラフとなります。線形のグラフにするには,距離hを時間t の2乗でプロットする必要があります。この直線の傾きから重力加速度g が計算できます。