フレネルミラー
実験番号:UE4030301
実験の手順
- 調整ネジをゆるめて可動側ミラーを平坦にする
- レーザー光源の電源を⼊れ,フレネルミラー中央部に光が当たるように角度を調整する(レーザー光を直接目に⼊れないでください)
- スクリーンを投影レンズから20∼30cm離して置きます
- 調整ネジを回しミラーの角度を調整し⼲渉縞がスクリーンに映るようにします
- スクリーン位置を調整し,⼲渉縞の明線間距離距離が読み取りやすいようにして,距離と間隔を記録します
実験に必要な機器
実験解説書
基本原理
図1のようにわずかに傾いた2枚のミラーを使うことで,1つの光源からの光を2つのコヒーレントな光源からの⼊射光にして,⼲渉が起こすことができます。このようなミラーをフレネルミラーと呼びます。このときの2つの仮想光源がなす角度は,ミラーの角度δの2倍となります。
図1から分かるように真の光源と2つの仮想光源は,フレネルミラーの接合部を中⼼とする同⼀円周上にあります。フレネルミラーがなす角度δは⼩さいので,3つの光源は全て同⼀直線上にあるとします。こうすることで2つのコヒーレントな仮想光源で⽣じる⼲渉縞は,スリット間隔が( d=2a delta )のヤングのスリットと同⼀に扱えます。
ヤングのスリットでは⼲渉縞の明線条件は,スクリーン上の位置をy,Lを光源からスクリーンまでの距離,λを波⻑,mを整数とすれば,
(1)\[y=m \frac{\lambda L}{d} \]
だったので,明線の間隔⊿yは
(2)\[\Delta y = \frac{\lambda L}{d} \]
となります。
本実験機はレーザー光源(λ=635nm),フレネルミラー,結像用レンズが⼀つの筐体に取り付けられています。そのため(2)式よりの距離Lや仮想光源間距離dは複雑な形となりますが,レンズ側筐体端⾯からステージまでの距離をl,明線間距離を⊿yとすると
(3)\[sin{\delta} \approx \delta = \frac{\it{l}}{\Delta y}K \]
と表せます。
ここで,
(4)\[K=\frac{\lambda x (x-f)}{2r(xf-2f^2)}\]
であり,それぞれのパラメータは次のとおりです(メーカー設計値)。
- x: 光源から投影レンズ筐体の中点までの距離,本機では0.36m
- λ: 光源の波⻑,本機では635nm
- f: 投影レンズの焦点距離,本機では0.025m
- r: 光源からフレネルミラーの中点(接合部分)までの距離,本機では0.2mとなります。
Kを具体的に計算すれば\( K=2.47 \times 10^{-5} \mathrm{rad} \)となります。
実験動画では l=34cm,⊿y=2mmだったので,この実験でのフレネルミラーの角度は約 0.241°となっていました。