高血圧症と食事指導
わが国における高血圧者数は約4300 万人に達し,高血圧が惹起する心血管病による死亡は癌による死亡と同程度です。高血圧の治療には生活習慣の修正と,それと並行して降圧薬による薬物治療も必要になります。また,いまだに食塩摂取量が10g/日を超えているため,6g/日未満にすると共に,肥満者では運動や食事療法による減量が重要です。これらに加えて,野菜・果物・不飽和脂肪酸の摂取や節酒・禁煙を指導します。高血圧の食事療法の基本は減塩食です。家庭での味付けだけでなく,食が多様化した現代では外食,惣菜,加工品なども注意が必要です。また,他の生活習慣病同様,適正体重の維持が重要になってきます。肥満がある場合は,減量することで降圧が期待できます。薄味で,バランスのとれた適量な食事を心がけること,まずはこれまでの食習慣を確認することが必要です。
- 医学解説: 片山茂裕 埼玉医科大学病院 病院長 埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授
- 栄養学解説: 須田幸子 埼玉医科大学病院 栄養部 課長補佐
収録時間:45分
2014年
生活習慣病と食事指導 全10巻セット(W81010)に含まれています。