糖尿病と食事指導
糖尿病はインスリン作用の不足の結果生じる慢性高血糖と定義されます。わが国では高脂肪食・運動不足など環境因子の影響によって肥満・2型糖尿病が増加しています。糖尿病合併症を抑制するためには,HbA1c<7%を目標として,食事・運動療法と,それで不十分な場合には薬物療法を行ないます。食事療法のポイントは,全体のカロリー制限(腹八分目)と3大栄養素のバランスであり,運動療法では有酸素運動が有効です。糖尿病治療の最大の目的は,合併症の予防です。食事療法は,どのような治療をおこなっている方でも必ずおこなわなければいけない治療の基本です。食事療法を正しく理解し実行することで血糖コントロールをよい状態に保ち合併症の発症や進展を遅らせることができます。コントロールのよい状態がいかに快適かをご自分で実感すること。それが治療を長続きさせる秘訣といえます。
- 医学解説:門脇 孝 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科教授 東京大学医学部附属病院 院長
- 栄養学解説: 関根里恵 東京大学 医学部附属病院 病態栄養治療部 副病態栄養部長
収録時間:59分
2014年
生活習慣病と食事指導 全10巻セット(W81010)に含まれています。