腎臓病と食事指導
慢性腎臓病(CKD)からの透析導入を防ぐ治療法には薬物療法と食事療法があります。食事療法は腎機能が低下した状態の患者での透析予防において,特に大きな効果を発揮します。また透析患者では,食事療法が遵守されなければ直ちに生命の危険にかかわる場合があります。この食事療法として三大栄養素(炭水化物,脂質,たんぱく質)に対する配慮のほか,体液・電解質に関連した食塩,水分,カリウム,リンなどに対する配慮が重要です。慢性腎臓病の食事管理の基本は,食塩のコントロール,たんぱく質のコントロール,適正なエネルギー摂取です。ステージG4,G5ではたんぱく質を正しく制限し,適正なエネルギー摂取により,透析導入の遅延効果が顕著に認められます。たんぱく質を単に減らせばよいということではなく,たんぱく質の質的内容(アミノ酸スコア)にも配慮する必要があります。治療用特殊食品を上手に取り入れた低たんぱく質食事療法の実際について解説します。
- 医学解説: 中尾俊之 腎臓・代謝病治療機構 代表 東京医科大学 名誉教授
- 栄養学解説: 金澤良枝 東京家政学院大学 現代生活学部 健康栄養学科 教授
収録時間:38分
2014年
生活習慣病と食事指導 全10巻セット(W81010)に含まれています。