骨粗鬆症と食事指導
日本人の食事と骨粗鬆症発症の関連は顕著で,Ca・ビタミンDの低摂取,塩分の過剰制限が負のCaバランスを引き起こし,それを補償するために骨吸収によるCa供給が長期に続くことから骨粗鬆症が発症します。また,蛋白質以外に食品などの添加リンによる尿中Ca排泄増加,腎機能低下促進や二次性副甲状腺機能亢進症の発症による骨量減少が挙げられます。Ca・ビタミンD摂取の増加,リン摂取量の低減が基本となります。骨粗鬆症における食事療法では,CaやCaの腸管吸収,骨形成を促進する栄養素の積極的な摂取,また骨吸収やCa排泄を促進する栄養素摂取の抑制が主体となります。栄養食事指導では,これらの管理を無理なく実行できるよう具体的な献立例や食品の量,使用方法を示していく必要があります。骨粗鬆症は高齢者の発症が多く,生活環境や食生活の現状にも配慮が必要です。また,思春期,青年期の骨粗鬆症予防対策も重要な取り組みです。
- 医学解説: 稲葉雅章 大阪市立大学 大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学 教授
- 栄養学解説: 石川佳代子 大阪市立大学 医学部附属病院栄養部 管理栄養士
収録時間:59分
2014年
生活習慣病と食事指導 全10巻セット(W81010)に含まれています。