宮本重範(北海道文教大学)の理学療法シリーズ
このシリーズでは,仙腸関節に起因する障害に対する対処法,そして脊柱安定化筋としての重要な役割を持つ大腰筋のトレーニングプログラムを取り上げています。いずれも,それぞれに関連する筋の解剖学や機能,特徴から,評価・治療の手技,トレーニングの方法まで,宮本重範氏の実技・解説で詳しく紹介しており,理学療法士必見の内容となっています。
実技・解説:宮本 重範(北海道文教大学人間科学部理学療法学科 教授,札幌医科大学名誉教授,医学博士)
仙腸関節機能障害に対するマニュアルセラピー(78分)
仙腸関節総論:講義
- 仙腸関節の解剖
- 仙腸関節の安定性
- 仙腸関節の運動
- 仙腸関節に影響を及ぼす病態
- 仙腸関節の機能評価
評価手技
- 位置のテスト(骨盤の触診)
- バランステスト:片脚立ち
- 運動テスト
- 前屈運動テスト
- 後屈運動テスト
- 運動力学テスト
- 下肢の自動伸展挙上テスト(背臥位,腹臥位)
- 仙腸関節の安定性テスト:離開テスト,圧迫テスト
- 他動運動テスト:
- 寛骨の後方・前方回旋テスト
- 仙骨に対する寛骨の後方・前方滑り
- 仙骨に対する寛骨の下方・上方滑り
- 恥骨結合の上方滑り,下方滑り
- ストレステスト
- 仙結節靭帯,骨間靭帯,長背側仙腸靭帯
- 見かけ上の下肢長差
治療手技
- 寛骨の前方・後方回旋障害に対する手技
- 寛骨のインフレア・アウトフレアに対する手技
- 仙骨の前傾(屈曲)・後傾(伸展)に対する手技
自己矯正法の指導
- 寛骨の前方回旋障害に対して(背臥位・立位)>
安定化機能を高める大腰筋のトレーニング (46分)
Stage1:垂直安定化作用の指導
- 患者に大腰筋と股関節の位置を教え,骨頭を脊柱に引きつけるか,または骨頭を 臼蓋に寄せるようにさせ,大腰筋の作用が正しく理解させる。
Stage2:分節の安定性(Local stability)の評価
- 脊柱は中間位にして,リラックスする.腰椎の各分節を触知して関節のJoint Playを左右から,後−前方からみる。大腰筋のLocal stabilizer としての機能を評価。
Stage3: 分節安定性(local stability)のトレーニング
- 股関節外旋の促通
- 寛骨後方回旋の促通
- 側臥位,負荷による促通
- 座位,体幹後傾運動
- 膝屈曲臥位での促通法
tage4: Global Stabilizerのトレーニング
- Global Stabilizerのトレーニングの進め方
- 大腰筋Global Stabilizerのトレーニング
- 立位・座位での股関節屈曲運動
Stage5: Local Stabilizerの機能的活動への統合(講義)
- 立位,座位でのStatic activities から体幹の屈曲姿勢や歩行などのDynamic activities へ
Stage6: Local 筋とGlobal 筋の同時賦活の統合(講義)
- Global stability機能のトレーニングの前にlocal stability機能のトレーニングをおこない,機能的活動へと統合を図る