入門!呼吸理学療法 〜臨床現場で役立つ評価方法と基本手技〜
医療の多様化や他のケアとの関連性から臨床現場での呼吸ケアの需要が高くなっており,現場でのケアレベルの向上が急務となっています。その中で呼吸理学療法は重要な役割を担っています。しかし,実際の臨床現場では職種などにより知識や能力差が大きいのが現状です。
そこでこのDVDでは,臨床の現場で最低限マスターしておく必要のある内容を厳選し,その理論と評価・手技の方法を詳しく紹介しています。ここで取り上げる内容を理解することで,患者さんに臆することなく対応できるようになるでしょう。
理学療法士は勿論,これから呼吸ケア,呼吸リハビリテーションに携わろうとしている看護師,作業療法士など全ての臨床スタッフにご覧いただきたい内容となっています。
実技・解説:石川 朗(神戸大学大学院保健学研究科 リハビリテーション科学領域 運動機能障害学分野)
呼吸器疾患・障害に対する評価(45分)
呼吸器疾患・障害に対して有効な理学療法を行うために必要な,医療面接とフィジカルアセスメント,そして検査の方法について紹介します。
評価を行う前に
肋骨と肺の位置関係
評価
- 評価の進め方,評価の目的,医療面接について
- 生命兆候:vital signと身体(理学的)所見:physical findings
- 体温の意義と確認方法
- フィジカルアセスメントについて
- 視診:視診のポイント,胸郭と脊柱の形状の確認,呼吸数と呼吸パターンの確認,ばち指の確認
- 触診:触診のポイント,胸郭の柔軟性・可動性・動きの方向の確認,横隔膜の可動性の確認,声音震盪の確認
- 打診:打診の目的と方法
- 聴診:聴診のポイント,肺音の分類,呼吸音の異常について,ラ音の分類,聴診手順,聴診の方法
- 6分間歩行試験(6MWT),周径(胸郭可動域拡張度)
呼吸理学療法の基本手技と応用(82分)
呼吸理学療法の基本手技である,コンディショニング(リラクセーション,呼吸法,胸郭可動域トレーニング,各種排痰法)と,ADLトレーニング,運動療法を紹介します。
呼吸理学療法:基本手技
- リラクセーション
- 安楽体位の選択
- 呼吸補助筋のストレッチ
- マッサージ(軽擦法・柔捻法)
- ホールド&リラックス
- ストレッチポールを用いたリラクセーション
- 呼吸法指導
- 横隔膜呼吸(腹式呼吸)
- 胸郭可動域トレーニング
- Silvester法
- 肋骨の捻転
- 肋間筋のストレッチ
- 体幹の捻転
- 棒を用いたストレッチ
- 排痰法
- 痰の生理学
- 体位排痰法:Sims位,ギャッチアップ(ヘッドアップ)
- 徒手的介助法
- スクイージングの注意事項
- スクイージングの基本的手技(上葉,中葉,外側肺底区,後肺底区,全体)
- スプリンギング,咳の介助法,気管圧迫法
- 指導上の注意事項
- FITT(頻度,強度,時間,種類)の決め方
- 持久性トレーニング:トレッドミル,自転車エルゴメーター
- 四肢筋力トレーニング:スクワット,つま先立ち,立位による腕立て伏せ
- 呼吸筋トレーニング:
- スレッショルドを用いたトレーニング,腹部重錘負荷法,呼気筋トレーニング
- 自由歩行
呼吸理学療法:応用
荷重側肺障害予防のための体位
- 浅くて速い呼吸パターンを,介助により深くゆっくりした呼吸パターンに誘導する
- 吸入器を用いた呼吸介助法
- ほとんど自発呼吸が失われている場合の呼吸介助法