腰痛症に対する理学療法評価 〜評価から考えられる治療法の選択〜
腰痛に悩まされている人はたいへん多く,アスリート,一般の人たち,年齢などに関わらず数多くみられます。しかし,「腰痛」は症状であって病名ではないため疾患はさまざまです。「腰が痛い」と訴えてきた患者さんの腰部のX線写真を撮っても異常はなく,血液検査や神経の検査でも問題が見られないのに腰に痛みが生じている場合が多いのです。
このDVDでは,長年腰痛疾患に携わってこられた青木一治先生が,腰痛を症状とする疾患の知識,腰痛疾患を診るための検査・測定の方法などについて詳しく解説しています。また,腰痛疾患を診るためのポイントについて,「運動診」を中心に体幹屈曲,体幹伸展という運動の診かたから治療法の選択まで実技を交えて紹介しています。腰痛に直面しているすべて治療家にご覧頂きたい内容となっています。
指導・解説:
青木 一治(名古屋学院大学 リハビリテーション学部理学療法学科 教授)
腰痛症に対する理学療法評価:講義編(70分)
動作分析と理学療法
- 腰痛症とは
- 腰痛の分類
- 比較的明らかとされている腰痛の発生原因
- 腰痛疾患を診るための検査・測定
- 問診
- 理学所見
- 鑑別診断上重要な検査
- 画像診断
- 腰痛機能障害の評価法
- 治療効果の判定
- 腰痛症を診るためのポイント
- 患者にみる動作のポイント
- 腰痛症の診かたのまとめ
- 腰痛症に対する運動療法のヒント
- 姿勢指導
腰痛症に対する理学療法評価:実技編(28分)
腰痛症を診るためのポイント
- 姿勢観察:脊柱の弯曲,前屈後屈での腰椎の動き
- ケンプサイン
- 神経学的検査:腱反射(膝蓋腱反射,アキレス腱反射)
- 感覚機能の検査:触覚
- SLRテスト:ブラガードサイン,ラセーグ徴候
- 両側SLRテスト
- 膝屈曲位での腰椎の屈曲テスト
- 腹臥位での検査
- 姿勢観察:腰椎の弯曲,大腿神経伸張テスト,大腰筋の伸張
患者にみる動作のポイント
- しゃがみ動作の観察
- 骨盤を固定する筋(大殿筋)の筋力をみる
- 殿筋の再教育
- 背筋を使わないで股関節の伸展が出来るように指導する
- しゃがみ動作の観察(殿筋の再教育後)
腰痛発生原因の判別方法
- 椎間関節性の要因か椎間板性の要因かを判別する
- 前屈動作の観察
- ニーリフティング(腿挙げ)テスト
腰痛症に対する運動療法のヒント
- 脊柱アライメントの測定(スパイナルマウス使用)
- 運動療法(胸椎の授動運動)
- 運動後の脊柱アライメントの測定
- 胸椎授動運動前後での脊柱アライメントの比較
姿勢指導