非特異的腰痛症に対する積極的安定化運動の理論と実際
システマティック・レビューに基づく腰部骨盤帯の安定化理論
腰痛は「脊椎の障害」から「生物・心理・社会的疼痛症候群」へ,「解剖学的異常」から「器質・機能障害」という概念に変化しています。実際,臨床で取り扱う腰痛の80%以上が画像所見と合致しない非特異的腰痛であることからも明らかです。それを受け,腰痛の治療は今や,多面的・集学的アプローチが時代の流れです。その中でも腰部の不安定性が腰痛発生の要因の1つと言われ,様々な安定化運動が提唱されてきました。最近の報告をまとめてみると,深層筋(インナー・マッスル,コア・マッスル)トレーニングは慢性期の機能障害と再発予防に対しては効果的ですが,亜急性期の機能障害と疼痛に関しては効果が少ないことが立証されています。
今回のDVDでは,システマティック・レビューに基づいた理学検査の方法と,股関節,骨盤帯,脊柱の不安定性に対する積極的安定化運動の方法について紹介しています。臨床において即効性のあるこの治療法の理論とテクニックを是非マスターしてください。
実技・解説:
荒木秀明(理学療法士,姫野病院リハビリテーション部長,日本臨床徒手医学協会代表)
腰痛症例供覧と理学検査の実際(37分)
腰痛の疫学・分類と症例供覧 解説
理学検査の実際
- 導入
- 自動運動テスト
- 試験的治療
- Shot gun technique
- Recoil technique
- 荷重伝達機能テスト
- Active SLRテスト
- 後屈テスト
- 片脚立位テスト(骨盤帯)
- 片脚立位テスト(股関節)
- 疼痛誘発テスト
- 仙腸関節ストレステスト(仙骨スラストテスト,圧迫テスト,離開テスト,大腿骨後方スラストテスト)
- 腰椎ストレステスト(大腿骨スラストテスト,スプリングテスト)
- 股関節ストレステスト(片脚立位伸展内旋テスト,パトリックテスト,腹臥位内外旋運動テスト,伸展内旋ストレステスト)
脊柱安定化運動の理論と実際(45分)
腰部骨盤帯安定化の変遷 解説
非特異的腰痛症に対する理学療法に関するシステマティック・レビュー 解説
脊柱安定化運動の実際
- 導入
- MNRの実際
- 仙腸関節安定化運動(股関節不安定性に対する治療)
- 腰椎安定化運動(脊柱の不安定性に対して)
- 股関節安定化運動(股関節の不安定性に対して)
- Home exercise
- 骨盤帯自己mobilization
- 仙腸関節安定化運動
- 腰椎安定化運動
- 股関節安定化運動
- 脊柱中間肢位の指導
- 座位姿勢の基本
- MTTによる自己トレーニング