股関節のみかたとアプローチ 〜股関節の構造とシステムを理解する〜
股関節は身体の中で極めて重要な位置にあり,下肢や体幹,上肢にも影響を与えています。そしてヒトの骨盤は直立のためのデザインをしているということが大きな特徴となっています。このDVDでは「ヒトは直立二足動物である」ということを前提に,様々な角度から股関節の特徴や関連する筋の活動,股関節のシステム,そして股関節にどのようにアプローチしていくかについて紹介しています。股関節は生体では70度前後しか曲がらないため,座位は必ずしも安楽な姿勢ではないのです。しかし直立の姿勢はほとんどオートマティックなものであり,必ずしも難しいものではありません。そしてそうすることが,肩関節や足関節,足趾にも影響を及ぼすことになるのです。
ここでは脳卒中の患者さんをイメージした内容を取り上げていますが,脊髄損傷や大腿骨頚部骨折の患者さんの場合も同様に考えることができますし,腰痛の患者さんにも考え方を発展させることができる内容となっています。
実技・解説:
吉尾雅春(千里リハビリテーション病院副院長/理学療法士)
股関節の屈曲角度を考える(43分)
- 骨盤は直立のためのデザイン(ヒトは直立二足動物である)
- 股関節の屈曲角度は?
- 健常成人の股関節屈曲の構成
- 股関節の屈曲角度を調べる(実技)
- 大殿筋の緊張を緩める方法(実技)
- 股関節屈曲角度と骨盤始動との関係
- 股関節外転位の屈曲
- 股関節前面の痛み
- 脳卒中患者の筋活動を促す方法(実技)
- 腸恥包の存在とその働き
- 股関節の屈曲・伸展と腸腰筋の緊張を緩める方法(実技)
- まとめ:股関節の屈曲角度
直立位を保障するシステムを考える(50分)
- 大腰筋の屈曲作用・抗重力作用
- 股関節と大腰筋との関係
- 大腰筋による屈曲運動の保障
- 股関節屈曲に必要な張力
- 大腰筋による支持性の保障
- 脊髄小脳神経回路と前庭小脳神経回路
- 立位から座位へ(座位の安定性を増す工夫)
- 背臥位における下肢伸展挙上の主動作筋は?
- まとめ