脳卒中後遺症者へのニューロリハビリテーション
- 姿勢コントロールを基盤とした起居動作・歩行の再学習!
- 潜在能力を発揮させるために!早期からの麻痺側への適切な介入!
回復期リハビリテーション病棟において,日常生活機能評価の点数変化だけが追求され,非麻痺側への寝返りや非麻痺側からの起き上がり自立だけを目指すような練習しか行われていない施設が多いというのが現状です。
しかし,本来,寝返り・起き上がりなど姿勢変換に必要な姿勢制御機構は脳幹網様体から両側性に制御されている部分が多く,動作再獲得のためには,早期から積極的に姿勢コントロールを意識した麻痺側への介入を行っていくことが重要となります。
このDVDでは,起居動作や歩行の再獲得に必要なニューロリハビリテーションの基礎知識やハンドリングの一例をご紹介します。片麻痺者における動作の困難性について,その理由をリーズニングするための知識や,姿勢制御機構の再構築化も含めた正しい情報を入力するための徒手的介入などについて,スライドや実技,症例の実例提示を交えながら詳しく解説しています。
実技・解説
伊藤 克浩(山梨リハビリテーション病院リハビリテーション部 副部長,理学療法士)
(公社)日本理学療法士協会神経系専門理学療法士
(社)日本ボバース研究会会長,IBITA/JBITA 成人中枢神経疾患上級講習会インストラクター
発売年:2015
W63838 ニューロリハビリテーション概論
中枢神経系は環境の変化に順応するための器官で,環境調整や治療的介入によって中枢神経系は変化するとされています。ここでは,ニューロリハビリテーションの考え方,そして正常人における姿勢制御と先行随伴性姿勢調整について解説します。
- イントロダクション
- ニューロリハビリテーションの考え方
- 中枢神経系の可塑性
- 臨床場面での脳卒中者は・・・
- 姿勢制御機構
- 姿勢制御の2つの機能
- 先行随伴性姿勢調整
- 外側皮質脊髄路と皮質 – 網様体 – 脊髄投射系
収録時間:28分
W63839 臥位姿勢での介入と寝返り・起き上がり動作の再獲
背臥位は,いつでも抗重力方向への活動を起こせるような準備状態も兼ね備えています。 ここでは,まず背臥位の特徴や背臥位からの活動に必要な要素を解説します。 次に,中枢神経系に問題が生じた場合,どのような不適応がみられるかを解説し,寝返り・起き上がり動作再獲得のための介入方法を実技でお見せします。
- 背臥位姿勢の特徴と介入
- 背臥位の特徴
- 体幹の特徴
- 背臥位からの活動に必要な要素
- 脳卒中者の動作困難性
- 急性期からの支持面への不適応
- 支持面に適応した背臥位姿勢のための介入
- 骨盤周囲と股関節の安定化
- 体幹のコントロールの強化
- 寝返り・起き上がりの特徴と介入
- 急性期からの不適応
- 麻痺側への誘導
- 非麻痺側への誘導
- 介助が必要な患者の誘導
収録時間:72分
W63840 座位姿勢での介入と立ち上がり動作の再獲得
多くの片麻痺者の座位は,発症初期での低緊張を基盤として,麻痺側への重心移動に困難性を抱えています。ここでは,片麻痺者における座位姿勢での問題点について考え,座位姿勢を安定化させるための介入と立ち上がり動作再獲得のための誘導方法を解説します。
- 座位姿勢の特徴と介入
- 座位姿勢の特徴
- 座位姿勢と股関節屈筋
- 急性期からの不適応
- 座位姿勢が安定するためには
- 機能的な座位姿勢のための介入
- 非麻痺側への重心移動の評価と介入
- 麻痺側への重心移動の評価と介入
- 立ち上がり動作への介入
- 急性期からの不適応
- 立ち上がりの誘導のために
- 移乗動作
- 立ち上がりの誘導
- 通常の誘導
- 麻痺側下肢の支持性に問題がある場合
- 介助が必要な患者の場合
収録時間:47分
W63841 二足直立姿勢での介入と歩行の再獲得
歩行再獲得のためには,歩行に必要な要素を段階を追って再学習していく必要があります。 ここでは,リズミカルに歩くためのCPGへの働きかけを含めた,歩行再獲得のための治療戦略を解説します。さらに実際の症例で,入院時の評価から治療介入,自主トレーニングなどを経てどのような変化が現れたかをお見せします。
- 二足直立姿勢の特徴と介入
- 二足直立のために必要な要素
- 座位と立位の違い
- 歩行の再獲得のための治療戦略
- 歩行動作の特徴
- Central Pattern Generator
- 下腿三頭筋と体幹
- ヒールストライク
- Single leg standing
- 足底の機能
- CPGを駆動させるためのトレーニング
- 二足直立姿勢を安定させるための介入
- Single leg standingの誘導
- ターミナルスタンスの誘導
- CPGに働きかける歩行の誘導
- 症例にみる評価と治療介入
- Case(1) 左放線冠梗塞後右片麻痺
- Case(2) 脳梗塞後右片麻痺
- Case(3) 右被殻出血後左片麻痺・感覚鈍麻
- まとめ
収録時間:89分