中枢神経疾患に対する機能回復アプローチ タナベセラピー
機能的プラトーの常識を覆す!
重度片麻痺CIセラピーの実践から生まれた即時運動回復アプローチ!
私は長年に渡り,脳卒中片麻痺を対象にCIセラピーを実践してきました。CIセラピーでは自宅や地域社会でのさまざまな活動において麻痺肢の使用を習慣化するように誘導します。
対象者が筋緊張異常を伴う痙性麻痺の場合,物品操作あるいは安定した歩行ができず,課題の実践に失敗することが多いです。
このような麻痺肢使用の障壁に対して,私は,麻痺側上肢・手指/下肢の潜在的な運動機能を即時に引出すテクニックを多数開発し「タナベセラピー」と名付けました。
タナベセラピーは国内のみならず海外にも普及しつつあります。その普及の理由は,即時効果にあります。当事者がやりたい活動をできるようにするための運動機能を即時に回復することができるからです。
この映像で学ばれたテクニックを行動心理学アプローチの一助として活用していただければ幸いです。
実技・解説:田邉 浩文
- 湘南医療大学大学院 保健医療学研究科 教授
- 日本CIセラピー研究会代表
- タナベセラピー研究会代表
上肢機能アプローチ (66分)
脳卒中後麻痺側上肢に対するアプローチでは,正常な運動を繰り返し行い,異常筋緊張を正常化して正常な生理的同時収縮による運動発揮へと誘導します。上肢機能アプローチは,生活行為を行ないやすくする事前準備として極めて短時間(3分程度)に行うべきです。
本編では,異常筋緊張を瞬時に整え,筋出力を増すための促通を瞬時に行うテクニックについて紹介しています。特に重度麻痺手に対する指伸筋の促通は他に類のないテクニックであり是非,習得していただきたいと思います。
- タナベセラピーとは
- 上肢挙上に対するアプローチ
- 肩関節のアライメント評価と治療について
- 広背筋の短縮アプローチ
- 肩甲上腕関節の骨性アライメント調整
- 肩関節挙上筋の促通(座位・背臥位)
- 前方リーチ動作アプローチ
- 手関節と手指屈筋の筋緊張の亢進と短縮に対するアプローチ
- 指伸筋の促通法
- 座位
- 背臥位
- 手関節背屈の促通法
- 母指・小指対立筋の促通法
- 前腕回内筋・回外筋の促通法
- 手指間・骨間のモビライゼーション
- 指屈筋の促通法
- 頸椎・頭頸部に対するアプローチ
机上課題(物品操作)アプローチ (48分)
比較的重度な麻痺手の場合,3つのステップを踏みながら生活行為の実践へと導きます。最初のステップでは,上肢編で紹介した運動機能回復アプローチです。
次のステップは,実際の生活行為での使用を想定した物品操作練習,机上課題です。最終ステップは,行動心理学技法を用いてさまざまな実際の生活行為についてチャレンジするように誘導していきます。
本編では,運動機能回復を生活行為実践へと橋渡しする重要なステップとなります。正しい手指の対立動作を運動学習させるためのテーピング法やハンドリング方法,対象物の選び方など机上課題のノウハウについて説明しています。
- テーピングによるポジショニング
- ハンドリング方法
- 対象物の選択方法
- さまざまな方向へのリーチ誘導
- タナベスパイダースプリントの使用方法
- 指向型課題練習
- 概要
- シェーピングトレーニング
下肢機能アプローチ (54分)
脳卒中後麻痺側上肢に対するアプローチでは,正常な運動を繰り返し行い,異常筋緊張を正常化して正常な生理的同時収縮による運動発揮へと誘導します。上肢機能アプローチは,生活行為を行ないやすくする事前準備として極めて短時間(3分程度)に行うべきです。
本編では,異常筋緊張を瞬時に整え,筋出力を増すための促通を瞬時に行うテクニックについて紹介しています。特に重度麻痺手に対する指伸筋の促通は他に類のないテクニックであり是非,習得していただきたいと思います。
- 脳卒中片麻痺の下肢に対するアプローチについて
- 麻痺側下肢の機能アプローチ
- 下肢全体の筋緊張減弱法/下肢の軟部組織の短縮に対するアプローチ/股関節屈筋の短縮に対するアプローチ/足指屈筋群の筋緊張減弱と短縮に対するアプローチ
- 歩行のための準備
- スィング練習(側臥位・立位)
- 仰臥位でのハンドリング
- ステップトレーニング
- ・前方へのステップ/側方へのステップ/クロスステップ/後方へのステップ
- 立位・歩行時のハンドリング
- 骨盤誘導における手のあて方
- 交互振り出し歩行の誘導<
- 骨盤引き上げによる代償動作の抑制
- 方向変換の誘導
- 横歩き
- 障害物の通過
- おわりに
2020