スターリングエンジン
実験番号:UE2060100
熱気を利用した熱機関は,昔から知られています。熱機関は高い温度の熱源からエネルギーを貰い,そのうちの何割かを力学的な仕事にして,残りのエネルギーは低温の熱源に渡します。
実験の手順
- スターリングエンジンを熱機関として動かします。
- 熱エネルギーがどのように力学的エネルギーに変換されるかを観察します。
- 無負荷状態での回転速度を求めます。
実験に必要な機器
- U8440450:スターリングモーター
- U138021:プラグ付き安全リード線・75cm・15本セット
- ストップウォッチ(別途ご用意ください)
- 直流電源(20V/5A) ×1(別途ご用意ください)
実験解説書
基本原理
熱気を利用した熱機関のサイクルは,次の4 つに分けられます。加熱・膨張・冷却・圧縮この様子は下図1~4 に示しています。無負荷でスターリングエンジンが動いているときは,回転速度は摩擦と熱源からもらうエネルギーに依存します。力学的な負荷をかけると,回転速度が遅くなります。この様子をみるにはクランクに摩擦力をかけると良いでしょう。
- 加熱
外部からの熱は,変位ピストンが動き,シリンダー内部の空気が高温部と接触することで供給されます。この時パワーピストンは下死点にあります。これは変位ピストンと位相が90°ずれているためです。 - 膨張
暖まった空気が膨張し,パワーピストンを動かします。ここでクランクを通じて力がはずみ車に伝わり回転します。 - 冷却
パワーピストンが上死点にいるときに,変位ピストンが空気を押しやり冷却側に動かします。これによりシリンダー内部の空気が冷やされます。 - 圧縮
冷やされた空気はパワーピストンにより,更に圧縮されます。この時に必要な仕事は,はずみ車により与えられます。