超音波エコー像実験器
Windows PCやオシロスコープに接続してパルス・エコー原理による反射音波の観測や透過音波の観測など,超音波実験を行うための実験装置です。別売の超音波変換器(1MHz: U100151,2MHz: U100161,4MHz: U100171)を接続して使用します。
超音波プローブ接続ポートは2つあり,1本のプローブで反射波を測定するモードや2本使い送信/受信と透過波を観測するモードが選べます。超音波の伝達距離による減衰を補正するTGC(time gain control)があり,補正の閾値や開始点・終了点・補正直線の傾きなど自由に設定できます。
本実験器をオシロスコープに接続する場合は,トリガ, TGC, 超音波信号(実際に検出している信号)と A-scan信号(検出信号の振幅の大きさ)の4つの信号が機器前面のBNCコネクタを通じて出力されているので,オシロスコープに入力します。
本実験器を背面のUSB(Type Bコネクタ)を通じて接続すると付属のデータ収集解析ソフトウェア(Windows PC用,英語版)で測定パラメータの設定,実験のスタート/ストップ,データの表示・各種解析がPC上で行えます。データは直接の超音波信号,Aモード,Bモード画像,Mモード画像(動く物体に対するタイムラプス画像)や信号のスペクトル分析と多数の解析が可能です。
使用する超音波変換器は分解能と減衰距離のトレードオフを考慮して被測定物に対して選択してください。一般に周波数が高いと分解能は小さくなりますが信号の減衰率が高くなります。例えば別売の反射波測定用のサンプル,穴あきアクリルブロック(U10027)であれば2MHzのプローブ(超音波変換器: 2MHz,U100161)が適当です。
この装置は,作動時に調整されたパラメータ(出力,振動数,増幅など)のすべてを表示し,高速フーリエ解析を実行し,2次元超音波断面図の図示(B像)と動いている反射層の時間経過に伴う動きの図示(時間-運動-処理方式)などをします。納入品目には超音波変換器は含まれていません。
- 振動数の範囲:1MHz~5MHz
- 出力信号:δ関数型パルス(継続時間1μs未満,0V~300V)
- 出力レベル:10dB間隔で,0~30dB
- 受信信号ゲイン:5dB間隔で,0~35dB
- TGC:閾値と初期値,増幅,測定時間の長さは連続的に調整可能。最大ゲイン30dB
- コンピュータ接続:USB(ケーブル付属)
- サンプリングレート:10 ~ 100 MHz
- 電源:100V,50Hz/60Hz
本製品を使った実験の解説
実験例の写真中で使用している製品
実験テーマ
- 検体中における超音波の縦波速度の測定
- 検体中での超音波の減衰
- 液体中での超音波の減衰
- 超音波の減衰の振動数依存性
- 走時依存増幅
- 分解能の周波数依存性
- 検体中における超音波の横波速度の測定
- ずれ弾性率と弾性率,ポアッソン比の測定
- B(白黒)-画像の図像化
- 動いている境界層における超音波反射の図像化(時間‐運動‐モード)
製品マニュアルの記載言語:英語